日刊ゲンダイで掲載されました。

語り部の経営者たち
JV-ITホールディングス 猪瀬ルアン社長
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/308191


全4回です。
(まず第1回を上記リンクからお読み頂き、2回目以降はリンク先のサイトからアクセスしてください。会員限定公開ですが、無料登録すればすぐお読み頂けます)

「JV-ITホールディングス」は、スマホアプリをベトナムで委託開発する会社です。2005年にベトナムで創業。2018年にホールディング化し、現在、日本に本社を置いています。

社内での“感謝”をポイント化し、福利厚生サービスに交換できる自社開発アプリ「カンパニーマイル」が好評で現在、300社が導入しています。

「今の日本は若い人が働くことに夢を持てない。第2の祖国をビジネスで元気にしたい」

創業社長の猪瀬ルアンさんは、ベトナム戦争の終結から3年後の1978年、南部のリゾート都市ニャチャンで生まれました。両親とも裕福な家系でしたが、共産主義政権の迫害を恐れた父は、家族を残し船で国外へ脱出します。いわゆるボートピープルです。

「ちょうど僕の1歳の誕生日だったそうです。バレないよう母にも内緒でした。母も僕が3歳の時に脱出を試みましたが直前に捕まり、2人で数カ月間刑務所に入ったそうです。もちろん僕は覚えていません」

船での脱出は難破や飢え、病気などで命を失う人も多かったそうですが、猪瀬さんの父は運良く日本漁船に救出され日本にたどり着きます。家族を呼び寄せたのは、それから8年後、猪瀬さんが9歳の時でした──。

詳しくは記事を読んで頂きたいのですが、日本に来てからも猪瀬さんの苦難は続きます。インタビューしていて、「え、ホントですか!?」「ひどいですね!」「どうやって乗り越えたんですか!?」と、何度も声を上げて聞き返してしまいました。

ここまでの苦労話、最近の40代社長のインタビューではめったに聞きません。いや、50代、60代でも珍しい。70代くらいの創業社長や会長ぐらいでやって出てくるレベル。

なるほど、猪瀬さんはベトナム戦争終戦直後の生まれ。単純に比較すると、1948年生まれの日本人に相当します。現在74歳。激動の戦後と高度経済期を生き抜いてきた人たちです。

苦学の末に大学を卒業し、就職したのが、あのホリエモンこと堀江貴文氏率いるオン・ザ・エッヂだったというのもドラマチックです。ITビジネス黎明期で、良くも悪くも勢いがありました。

その後、発展著しい祖国ベトナムに戻ってビジネスを立ち上げます。つまり、戦後復興期のベトナム、まだまだ勢いのあった日本のIT黎明期、そして経済発展のさなかにある今のベトナム、それぞれを直に体験しているのです。

そりゃ、強いですよね。

訳あって数年前、日本に拠点を移したのですが、そんなルアンさんから見たら今の日本は非常に物足りないそうです。

どうすれば、袋小路に迷い込んだ日本経済を立て直せるのか?

日本人のスピリッツを持ちながら、一方でベトナムからの客観的な視点を持っている猪瀬さんには、その方法が見えているようです。

いま、ラグビーにせよ、陸上にせよ、バスケットボールにせよ、多様性のある人達が日本のスポーツ界を支えています。

日本のビジネス界も、こういうハイブリッドな人材が盛り上げていってくれるんだろうなと、インタビューしていて思いました。

ぜひお読み下さい。



新著「東京もっこり散歩──街中のふくらみを愉しむ」が自由国民社より!古墳、富士塚好きには特にオススメです!
Amazonで好評販売中!
↓↓↓


初の著書「開運酒場」が自由国民社より発売中!全国の縁起のいい酒場とパワースポットをめぐる異色の酒旅エッセイです。
↓↓↓購入はこちらから↓↓↓