東日本大震災から10年。

今も4万人を超える避難者がおり、決して過去のものではありません。

「地震保険」もそうです。

こんな記事を、日刊ゲンダイに寄稿しました。

人生100年時代の歩き方
東日本大震災から10年 知らないと損する地震保険の落し穴
公開日:2021/03/10 06:00 更新日:2021/03/10 06:00


地震保険の契約者から依頼を受け、損害鑑定の妥当性を再調査する(いわば地震保険のセカンドオピニオン)
一般社団法人「全国建物損害調査協会」の理事を務める阿藤博祐氏によれば、

「東日本大震災以降、本来受け取れるはずの保険金が正当に支払われていないケースが全国で散見されています。阪神・淡路大震災で注目され、加入者が増えた地震保険の支払いが、東日本大震災で一斉に行われたため、それまで見えなかった制度の“ほころび”があらわになったのです」

中には、再鑑定で70万円が700万円になった人もいるというから驚きです。

なぜそんなことが起きるのか? 

詳しくは記事を読んで頂きたいのですが、ポイントは次の通り。

1、地震保険制度自体が出来て50年以上経っていて、今の未曾有の災害を想定していない
2、損害を鑑定する鑑定人が圧倒的に少ない(申請3万件に対し全国にわずか1,000人程度)
3、目視での鑑定なので鑑定人によって判断基準がまちまち
4、鑑定人は保険会社から報酬を得ている


つまり、被災直後の混乱した中でとにかく早く鑑定しなければいけないから時間がない(中にはたった5分というケースも!)。素人目には一部損も小半損も見分けがつかない(でも保険金額は一部損5%→小半損30%と6倍も違う!)。少なく鑑定した方がクライアントは喜ぶ(ザ・忖度!)……と、

いい加減な鑑定になる環境がむちゃくちゃ整っているのです。


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実際、再鑑定で70万円が700万円になった人に話を聞いたのですが、頭に来るのは最初に来た鑑定人が「お宅なんてキレイな方ですよ」と言ったということ。それで依頼者は、「あ、うちはマシな方なんだ。命に関わるわけでも津波に流されたわけでもないし、むしろこれっぽちで手間をかけさせて申し訳ない」という気持ちになってしまったそうです。

これって、卑怯ですよね。被災者の弱みにつけ込んでいる。

”住めないわけでじゃないんだからお金が少しでも出るだけマシでしょ?”という言い分もわからなくもないですが、それとこれは別。鑑定人によって受け取れる金額が違うなんて不公平すぎるでしょ。制度がおかしいなら変えるべきだと思います。

地震保険金は、家の修繕以外にも使えるそうです。職場も被害を受けていたら、新しい仕事が見つかるまでの、まさに〈命綱〉になるわけです。

だからこそ、「公平に運用して欲しい」という阿藤さんの意見はもっともです

この問題はこれまで、あまり明るみに出て来ませんでしたが、2020年11月に東京地裁で大手損保会社の鑑定結果が覆る判決が出たことで、今後再鑑定の機運は高まるでしょう。

ただし注意すべきは、地震保険の支払い申請には「時効」があるということ。本来の期限は3年ですが、東日本大震災や熊本地震は特例で延長されてきました。

「とはいえ、東日本大震災は10年を機に特例を打ち切られるのではといわれています。再鑑定を依頼するなら急ぐべきです」(阿藤氏)

これは、すでに被害を受けた人だけの話ではありません。

これから震災に見舞われるかもしれない我々全てに関わる問題です。

ぜひ記事をお読み下さい。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286233

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