「人間百景〜ビジネスの発想を学べ!〜」  

毎週土曜日発行の日刊ゲンダイに〈いからしひろき〉名義で連載中です。

1月24日、31日はIT企業「エヌエルプラス」代表取締役CEOの笠間一生さんです。

ビジネスの発想を学べ!
高卒の電気工事士が社員300人企業の社長に 成功の秘訣は…
公開日:2021/01/31 06:00 更新日:2021/01/31 06:00

この10年くらい、記事にIT企業とかとか安易に書いてしまっていますが、IT企業にもいろいろあるわけで、こちらのエヌエルプラスは、〈ICTコンサルティング事業〉を主に行っている会社だそう。そう言われてもよくわからないのですが、簡単に言うと「システムが思った通り動かない」「やりたいことがあるがITでどうすればいいか分からない」「もっと意思疎通できるビジネス連携ツールはないか」(片山右京と菊川怜のCMみたい?)……そうしたITまわりの課題解決を仕事として請け負っています。

2020年に専務から社長に昇格した笠間社長は、自ら「課題を解決するのが好き」という、根っからのトラブルシューターです。

〈プロフイール〉
▽かさま・かずたか 1978年、東京都生まれ。高校卒業後、電気工事士として働くが、肉体労働に限界を覚え、IT業界へ。派遣社員から契約社員、正社員と出世し、36歳で独立起業。2015年にエヌエルプラスの前身である「電警」に合流し、専務として事実上の経営を任されると、“ICTシステムの課題解決請負人”として、5年間で7倍近く売り上げを増やす。2020年に代表取締役CEOに就任。コロナ禍に置き配送サービス「OCCO(オッコ)」をローンチした。


プロフイールにもありますが、実は笠間さん、いわゆる「高卒」(実は僕もです)。

東京都大田区に生まれ、ごく普通の家庭に育ちましたが、父親が不動産事業に失敗し、タクシー運転手に。「家庭は貧乏ではなかったけれど、常に金で苦労していた。だから早く社会に出て働きたかった」と高校卒業後すぐ電気工事士になりました。

しかし、同じ現場で働く中高年を見て「体を壊したら働けなくなる仕事には限界がある」と20代前半で転職を決意。ただし学歴もスキルもないため、たまたま姉の結婚式で再会したソフトウエア開発会社の社長の叔父のもとで、1年ほどプログラム基礎としてのC言語や、ホームページ作成技術としてのHTMLを学ばせてもらったのです。

そして25歳の時、派遣会社を通じて渋谷にある大手IT企業で働き始めたのです。

業界の同世代と比べたらかなり遅いスタートです。しかしそこからの出世は佐々木蔵之介、いや豊臣秀吉ばりに早かった。派遣社員として働き始めると、すぐに派遣先の会社から誘われ契約社員に。そして正社員へとまたたく間に駆け上がりました。

その後36歳で起業。ところが同じ月に、お母さんを肺がんで亡くしてしまったのです。実は25歳の時には父親も亡くしているのです。

詳しくは記事を読んで頂きたいのですが、30代中半で両親を亡くし、高卒の派遣会社から叩き上げて来た苦労人の笠間社長だけに、インタビュー中は「名言」の連続でした。

例えば……

「30代半ばにして両親を失ってしまった……だから一切の甘えが許されなくなった……これからは自分だけで世界をつくっていかなければならない自分のメンタルが強くなったのはこの時から

「現場仕事からITに転職して、その中で出世して独立。差し伸べられた手、つまりチャンスをちゃんと掴んでこられたのは、諦めない気持ちが強かったから。自分で状況は変えられる。」

中でも僕は好きなのは、膠着状態に陥ったプロジェクトを、どうやって前に進めていくか、についての金言。笠間さんは、こう言います。

「それでも少しずつ合意を取っていって、取れたものからプロジェクト計画書などの公式文書にどんどんルールとして書き込んでいくんです。そうすると最初は全く解決の糸口も見えなかったのが、少しずつ景色が変わってきて、ふと山陰に隠れていたゴールへの道が現れたりする。戦局も日々変わり、今まで大反対していた人が急に賛成派に回ったりもする。だから今日は何も解決していなくても、明日は分からない。それが問題解決の面白さですね」

とにかく動けと。そうすれば何かが変わると。

動かなければ変わらない。動けば変わるかもしれない。

僕も迷う前にとりあえずやちゃうタイプです。


ちなみに、オフレコですが、「少しずつ景色が変わってきて、ふと山陰に隠れていたゴールへの道が現れたりする」という名言、人気マンガ「キングダム」の中にも、同じようなセリフが出てくるそうです(笠間さんは「真似してない!たまたま一緒」と言ってますがw)

他にも話しの最終、ワンピースを例に挙げたり、相当なマンガ好きのようですw


しかしなぜ、笠間社長は、そこまでポジティブになれるのでしょうか。

それについても聞いてみたら、こう答えてくれました。


「私の弱音を社員は誰も聞いたことがないと思いますよ。なぜならそう思っていないから。自分の言葉って全部自分で聞いているじゃないですか。だから常にポジティブなことを言っていると、人格までそうなんですよね。」
自分もそうなのですから、回りもそうでしょう。だから多くの人が集まってくるのでしょうね。だって、誰だってポジティブな人と仕事がしたいですから。


よし、2021年も2月ですが、今年は「スーパーポジティブ」で行きたいと思います!

そして、悩む前に動く!

がんばるぞ、えいえいおー!(いま幼稚園の謝恩会用のDVDを編集してるので幼稚園児脳w)




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