ひさびさに真剣に悩みました。
いわき市商工会議所主催のプレスツアーで訪れた、「ビストロ緑」でのことです。
シェフの木田強一さんは、昭和22年生まれ。
19歳のとき、いわき市随一の繁華街「平」にあった「レストランサロン」に入店しました。
その店は、常磐炭鉱のゲストハウス的な店で、炭鉱会社の重役や貴賓たちに本格的なフレンチを提供していたそうです。
17年働いて独立。
いわき市の四倉という町の和食店の居抜きで経営をはじめました。
その和食店が「緑」という店だったので、その名前もいただいたそうです。
そこで5年やったあと、沼ノ内海岸にほど近い今の場所に移ってきました。
炭鉱時代の正統派の洋食が楽しめる庶民派フレンチ
今回はランチタイムに伺いました。
魚のランチ、肉のランチ、グラタンランチ、カレーのランチが1200円。
ビーフシチューランチだけが1800円と頭一つ飛び抜けています。
どう考えてもこの店の名物。
でも、どうしても頭から離れないメニューが。
でも、どうしても頭から離れないメニューが。
それは……
「グラタン」。
お店でちゃんとしたグラタンを食べたのはいつ頃だろう?
たぶん、小学生低学年の時にデパートか何かの食堂で食べたのが最後の記憶…。
いま、グラタンをランチで出す店ってすごく貴重。
すごく手間がかかるから、東京の洋食屋では忙しいランチタイム時には余り見ません。
この機会を逃したら、もうちゃんとしたお店のグラタンは食べられないかも!
と、軽く強迫観念。
でも、絶対コトコト煮込んでそうなビーフシチューも捨てがたい。
写真映えもしそうだし、仕事と割り切ればビーフシチューが正解か?
写真映えもしそうだし、仕事と割り切ればビーフシチューが正解か?
だけど…
選んだのは…
グ・ラ・タ・ン!
決めたんです。
「写真映え」とか「紙面的には」とか小手先の理由で決めるのはやめようと。
「写真映え」とか「紙面的には」とか小手先の理由で決めるのはやめようと。
「俺が食べたいものが正義!」
読者層は俺と同じ中高年層、俺がビビっときたものは同じようにビビっとくるに違いない。
そう信じて──
「グラタンお願いします!!!」
果たしてやってきたそいつ(グラタン)は、思った以上に大きくて、表面に絶妙に焦げがついてて、シズル感ハンパない。
グラタンでやっぱ正解!
熱々をフーフーいいながら食べると、クリーミーでちょっと胡椒が効いた大人味のベシャメルソースの中には、具がシンプルにホタテと玉ねぎだけ。
昔はエビやカニも入ってたそうですが、このストイックさがいい。
ご飯にちょっとかけて食べても美味しい。
ああ、かホッコリするぜえ……。
震災を乗り越えたデミグラスソースの味
ご飯にちょっとかけて食べても美味しい。
ああ、かホッコリするぜえ……。
震災を乗り越えたデミグラスソースの味
でも未練たらしく、ビーフシチューの方も、頼んだ人からおすそ分けしてもらいました。
使っている肉はブリ助 という部位で、120グラムと量もたっぷり。
脂身のバランス良くするために、赤身と脂身を成形して使っているそう。
デミグラスソースは創業以来継ぎたし継ぎたし作っていたそうですが、震災で営業を中断したことで一度ダメになってしまったそうです。
(そのまま店も辞めてしまおうと思ったそうですが、お客さんのたっての希望で再開!)
(そのまま店も辞めてしまおうと思ったそうですが、お客さんのたっての希望で再開!)
でも、十分にうまい!
でも、今回はグラタンに軍配。
はい、完全に個人的な思い入れからです。
以下、そのほかのランチメニューの写真を載せておきます。
カレーランチのシーフード
カレーランチのメンチ
それぞれ一口ずついただきましたが、どれも絶品。
だからどれも正解、何を頼んでもハズレなし!
これにサラダとコーヒー・紅茶がつくのだからお得!
サラダのドレッシングをお土産にいただきましたが、わさび風味でカミさんも大絶賛。
いわきの知る人ぞ知る名店。
お腹が空いたら、ぜひこの店を思い出してくださいな。
お腹が空いたら、ぜひこの店を思い出してくださいな。
◼️ビストロ緑
0246-39-3331
福島県いわき市平沼ノ内諏訪原7-12-7
プレスツアー全体をまとめた記事は……
★初の著書「開運酒場」が自由国民社より発売中!全国の縁起のいい酒場とパワースポットをめぐる異色の酒旅エッセイです。
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