ディープな街・大塚でも、よりディープな北口。
秘宝館好きが高じて、秘宝館グッズを展示するスナックを開いたという筋金入りのマニアです。
ピンサロが立ち並ぶ路地裏にあるのが「ゆる酒場」です。
(外観写真、お客さんがいたので撮れなかった!)
立ち飲み屋の居抜きで数年前にオープン。おつまみ100円、ドリンクも200円からと言う格安店で、せんべろ系酒場ファンの間では結構有名な店らしい。
店名の通り、とにかく“ゆるい”。内装等には全く凝っておらず、メニューもマジックペンの殴り書き。
1番ゆるいのは店主でしょう。まぁなんというか、やる気がないというか、それを表に出さないだけなのか、無駄な愛想言わない方針なのか、最初は怒ってるのかと不安になったが、こういう人なんだと思えばかえって気を使わなくて楽ですな。
キャッシュオンデリバリースタイル。目の前のお皿にお金を置いておけばいい。
この日は生ビール、ポテトサラダ(通常200円、小盛り100円とあるが、普通に頼んでも小盛り100円が出てくる)、紅茶サワー、鶏皮煮込みで950円。
安い!
◼️ゆる酒場
東京都豊島区北大塚2-6-4
Tel不明
さて、「ゆる酒場」で一杯やった後、飲食店街に出て空蝉橋通り方面へぶらり。
が、焼肉屋やチェーン居酒屋ばかりでコレといった店がありません。やがて空蝉橋通り北交差点に差し掛かりました。
このまま北池袋方面に抜けていこうか……と思った時、路地裏に怪しく光るネオンを発見!
飛んで火に入る夏の虫──のごとく近づくと、スナック風の外観に「ニュー秘宝館」 の文字が。
秘宝館ってあの秘宝館?
ガ然興味をひかれ、その扉を開けました。
中はカウンターにアクリル板を加工した箱型のテーブル席。壁には「秘宝館」の巨大な電飾看板があります。
一体ここは何?
「どれも秘宝館で実際に使われていたものなんですよ」とは店主の片品村蕃登(かたしなむらほと)さん。
ちなみに壁の電飾看板は佐賀の「嬉野武雄観光秘宝館」、アクリルの中の〝スケベ〟な七人の小人は大分の「別府秘宝館」──
カウンターの酒棚脇壁に掲げられた男女のシンボルマークは定山渓温泉の「北海道秘宝館」で使われていたのを譲り受けたものだそう(いずれも閉館)。
いや〜、いるだけで運気が上がりそう!
ぜひ、トイレは、もよおさなくても入ってみてください。思わずニヤリとして、長居しちゃうこと請け合いです(お楽しみがなくなるのでここではトイレの写真は載せません)。
そして、マスターのコレクションブックも必見!
そこには、全部そろえるのに10万円以上使ったという熱海秘宝館の四十八手みくじや──
ソープで配っていたテレカなどの珍宝コレクションがギッシリ。
テレカの水着を手でさわってみると…….。
エロ満載ですが、全体的にイヤらしくない。客も半数が若い女性でした。そのうちの一人に話しかけてみると、なんと共通の知り合いが3人も!
「秘宝館とか前から興味があったんです。ポップで可愛いですよね」とルンルン!(古いか)
よっぽど僕の周りは変態ばかりみたいです。
なおドリンクは、大塚名物ジンジャーハイボールやメンヘラサワーなど、やっぱり変わった名前のサワー類多し。
コースターやグラスも凝っています。
全体的に昭和テイスト!
お通しは出ますが、食事メニューはなさそうなので、ちゃんと腹ごしらえしてから来たほうがいいですよ。
そう、ゆる酒場でね!
◼️ニュー秘宝館
東京都豊島区北大塚3-33-2
Tel03-6903-4194
※本記事は日刊ゲンダイで毎週水曜に掲載している「東京ディープ酒場」で掲載された記事を著者本人が大幅に加筆修正したものですを写真も撮り下ろしです。
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