10月の中旬に「隠岐(おき)」に行ってきました。
隠岐は日本海の島根県沖にある諸島の総称で、大きく「島前」(どうぜん)と「島後」(どうご)に分かれます。
なお、とうぜん・とうごじゃなく、どうぜん・どうごというのは、その昔、役人が隠岐を巡見する道すがら、 前にあるから道前(どうぜん)、後ろにあるから道後(どうご) と言ったのが、やがて道→島に変わったからだとされています。
島前は主に中ノ島(海士町)、西ノ島(西ノ島町)、知夫里島(知夫村)の3島からなり、島後は島後島(隠岐の島町)1島からなります。
主な島はこの4島ですが、小さな島は180もあり、全ての島とその周辺の海域が「隠岐ジオパーク」に認定されています(海も含めて認定されているのはとても珍しいそう)。
最大の魅力は自然!
日本海ならではの荒波と強風の侵食によって出来た「赤壁」(知夫里島)や「魔天崖」(西ノ島)の絶景は破天荒すぎてとても日本とは思えません。
遊覧船やシーカヤックで海から眺められる他、トレッキングなどで地上から体感することもできます。
1島だけでも魅力がたくさんあるのに、それが4島もあるわけです。
日帰りはもったいない(というか交通事情で無理)ので、できれば2泊以上をオススメします。
その際、大事なのが宿ですが、今回泊まってみて思ったのは、隠岐に来たら絶対「民宿」や「ゲストハウス」に泊まるべきということ。
その理由を以下に挙げていきます。
1.料理がうまい
どちらも地元の食材をふんだんに使った料理が素晴らしかった!
「民宿 但馬屋」は船も畑も田んぼも持っており、夕食の魚も野菜もお米もほとんど自給自足。
朝食の生卵も飼っているニワトリがその日の朝に産んだものです。
これは美味しくないわけがありません。
(夕食。魚は全て自前の船でとってきたもの、野菜は畑で作ったもの)
(見事なサザエ! 日本海のサザエは荒波に流されまいとトゲが大きいのが特徴)
「ゲストハウス 佃屋」は、5年前に沼津から単身移住した女性が1人で古民家を借りて始めました。
料理は地元のものを使った手作りです。
元々ウェブデザイナー(今も続けているそう)だけあって、盛り付けやお皿のセンスが抜群。
食べても、タルタルソースにエスニックなスパイスを効かせたりしていて、なかなかの腕前です(中目黒あたりで店を開いたら繁盛しそう)。
(古民家を改装してオープン)
もちろん他のホテルや旅館にも料理の美味しいところはあるでしょうし、他の民宿やゲストハウスの料理もみな美味しいとは限りませんが、地元の味をより身近に楽しみたければ、民宿やゲストハウスを選ぶのも1つの手かと。
個人的には、宿は素泊まりにして、地元の居酒屋で地元の酒とツマミを楽しむのも好きなんですが、町として大きな島後(隠岐の島町)は別として、他の島は夜遅くまでやってる店もそんなに多くはないので、まずはお宿で頂くのがベターだと思います。
2.地元の人と触れ合える
もう、これは田舎旅の醍醐味でしょう。
「民宿 但馬屋」さんは、女将さんが名物。
明るく朗らかで、その場にいるだけで空気が和みます。
夕食後は海士町に古くから伝わる民謡「キンニャモンニャ」を、キレッキレの踊り付きで披露してくれます。
この踊りを見るためだけでも、泊まる価値アリ!
「ゲストハウス 佃屋」では、夕食は基本的に宿の家族とお客さん全員で食卓を囲みます(調理体験と称してお手伝いも)。
それだけでも十分、地元の人と触れ合うことになるのですが、オプションで様々な体験もできます。
今回は夕食後に、地元の民謡研究会の人を招いての「民謡体験」をお願いしました。
せいぜい2〜3人かと思いきや、次から次へと人が来るわ……で、結局総勢8人の大編成。
伴奏、踊り、MC付きで、華やかなショーとなりました。
1回6000円ですが、この内容なら決して高くないと思いました。
3.また来たいと思える
なんだかんだ言って、旅で一番思い出深いものは「人との出会い」でしょう。
民宿やゲストハウスに泊まるということは、それだけで宿の人と「出会う」体験です。
島の人ならではの朗らかさに触れると「また来たい!」と思っちゃうんですよね。
「座布団の裏を返す」という言葉があるように、店も旅もリピーターになってからが面白い。
でも、同じ場所に2回も3回も来ることって、なかなか難しい(どうせなら色々な場所に行きたいですもんね)。
だけど、民宿やゲストハウスに泊まると、宿の人に会うという口実で、2度3度と訪れることができる、すなわち旅の醍醐味を味わうことができる……。
以上、ちょっと強引なところもありましたが、隠岐に来たら民宿やゲストハウスに泊まるべき3つの理由でした。
私も今回、但馬屋さんと佃屋さんに泊めていただいて、都会生活で染み付いたモヤモヤとしものが浄化されたような気がしました。
心を健やかにしたければ、隠岐の民宿やゲストハウスに泊まるべき!
他の観光でも、「とりあえずホテルや旅館、」となりがちですが、ご紹介したような民宿やゲストハウスにも、ぜひ目を向けていただければと思います。
隠岐の観光情報は……隠岐観光協会「隠岐の島旅」
〆
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